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キャラクターの二次利用ガイド:調べるべきこと、調べ方

キャラクターは、ブランドや活動に親しみを与える大切な要素です。しかし、いざ事業で使おうとすると、「どこまでの利用なら問題ないか」「何を確認すればいいのか」と不安をお持ちの方も少なくありません。

そこで本記事では、二次利用の用途整理、著作権・商標の線引き、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」を使った事前チェックについて簡単にご紹介します。

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1. 二次利用の用途

最初に確認しておきたいのは、「何を・どこで・どう使いたいのか」です。絵柄・名称・ロゴ・形状など、保護対象を分けて考えるだけで後の調査の無駄が減ります。

1-1. 利用実態の整理

まず、露出媒体(Web・SNS・印刷・映像など)と使用期間、使用規模を時系列で整理しましょう。素材の出どころ(社内制作/外注/共同制作)や、関係する契約書・許諾メールの有無も同時に確認します。

対象ごとに制度の役割を切り分けると、どれを先に準備すべきかが自然と見えてきます。

1-2. 二次利用の用途の整理

「何を・どこで・どの期間・どの規模で使いたいか」を具体化します。たとえば「自社ECでTシャツを通年販売」「3か月のコラボで屋外広告と動画配信」など、媒体・地域・期間・数量などを一文で書ける粒度まで落としこみましょう。

用途を整理すると、必要な権利(標準文字か図形商標か、追加区分は何か)とコストの見通しが立ちます。この棚卸しを前提に、次の項目で行為ごとに必要な権利と同意を切り分けていきます。

2. 著作権×商標×不正競争防止法

二次利用は複数の権利が同時に関わってきます。「どの行為がどの権利に触れるか」を理解しておけば、落ち着いて判断ができるようになります。

2-1. 著作権で必要な同意

絵柄・設定・台詞の複製、改変(色替え・構図変更・拡大縮小に伴う見切れ)、公衆送信(SNS・動画配信)など、行為ごとに同意が必要です。著作者人格権(同一性保持・氏名表示)への配慮を契約で明確化し、クレジット表記の位置・表記方法をガイドライン化しましょう。

AIでの加工や二次創作の扱いについても、今後のトラブル防止のために、この段階で方針を決めておきます。

▼漫画の著作権・著作者人格権については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

漫画の著作権・著作者人格権とは?二次利用のルールとトラブル例を解説

2-2. 商標としての使用可否

名称・ロゴ・キャラ図形を商品やサービスの象徴として使う場面では、商標が関与します。混同の判断は称呼・外観・観念に加え、指定商品・サービスの近さ(類似群)で総合評価します。

商標は先に出願した人が優先される「先願主義」のため、使う前に特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」で確認し、標準文字(名称)と図形(ロゴ)の優先順位をつけましょう。未登録の商標を示す「™」や、登録済みの商標を示す「Ⓡ」の表示は、登録状況や国・地域によってルールが異なるため、国内外で扱いを分けて社内に周知しましょう。

2-3. 不正競争防止法とグレーゾーン

周知表示のただ乗りや出所混同を招く表示は、不正競争防止法上問題になります。

特に、引用・パロディ・UGC(ユーザーが生成したコンテンツ)の取り扱いは誤解が生じやすく、営利・非営利を問わずトラブルの芽になりがちです。社内ルールに「引用条件」「パロディの不可範囲」「UGCのリポスト条件」を明文化し、問い合わせ窓口と判断基準を定めておきましょう。

3. J-PlatPatでの商標調査

ここからは、2章で切り分けた前提を実際の検索に落としこんでいきます。

無料の一次調査でも、やり方次第で二次利用の成否が変わります。読み(称呼)、見た目(図形等分類)、分野の近さ(類似群コード)の3点を確認していきましょう。

参考:特許庁HP

3-1. 称呼類似検索の実務

ひらがな/カタカナ/ローマ字を切り替え、長音・促音・撥音やモーラ単位で近い候補も検索します。同音異字・省略形・合成語(例:「キュウ」「Q」「Cue」「CUE」「Q-chan」)まで広げ、ヒット結果は出願/登録状況と指定商品・サービスを合わせて確認しましょう。

3-2. 図形等分類×類似群コードの使い方

ロゴ・キャラ図形は、ウィーン分類で近いモチーフの出願状況を調査します(動物/人物/幾何学などの上位→下位へ)。

現在の区分だけでなく、二次利用で拡張予定の区分を隣接群まで軽く当たっておくとよいでしょう。この段階で「今取る区分」と「成長後に追加する区分」を分けると、費用の段階設計がしやすくなります。

3-3. 調査メモを方針へ落としこむ

調査結果は「A:出願推奨」「B:要修正」「C:見送り」に色分けし、理由(称呼/外観/観念/類似群)を一行で添えておきましょう。Aは出願対象(標準文字・図形・併願)と区分案まで書き、Bは命名修正案や区分変更案を添付、Cは“避ける理由”を明記して再浮上を防止します。

最後にスケジュール(出願→公開→審査→登録→更新)と体制(担当・監修者・法務確認)を決めます。

4. まとめ

二次利用を安全に進めるうえで重要なのは、結論を急がず「何を・どこで・どの範囲で使うのか」を明確にし、その行為がどの権利に関わるのかを整理することです。

この記事を参考に、安全にキャラクターを活用するための調査を進めていきましょう。

▼キャラクターデザインの活用事例と依頼のコツについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。

初めてでも失敗しない!キャラクターデザインの活用事例と依頼のコツ

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