
「かわいい」だけでは終わらない!人を夢中にさせるキャラクターの力と企業PRへの活かし方

シールやカプセルトイを集めたり、好きなキャラクターのグッズを持ち歩いたり、SNSで“推し”の魅力を語ったり――。私たちはなぜ、現実には存在しないキャラクターに心を動かされ、ときに長年にわたって愛着を抱くのでしょうか。
そこには、見た目のかわいさだけでは説明できない、人の認知や感情、他者とのつながりに関わる心理が隠れています。そして、その仕組みを理解することは、企業が消費者との距離を縮め、長く愛されるブランドを育てるうえでも大きなヒントになります。
本記事では、キャラクターデザインの歴史や、Suicaの新キャラクター投票、シール・カプセルトイ・推し活といった近年の動向を取り上げながら、人がキャラクターに夢中になる理由を心理学の視点から考察し、キャラクターの力を企業PRにどう活かせるのか、実践的なポイントもご紹介します。
1.私たちの暮らしはキャラクターであふれている
アニメや漫画の登場人物だけでなく、企業のマスコット、自治体のご当地キャラクター、商品のパッケージに描かれた動物まで、私たちの暮らしはさまざまなキャラクターであふれています。
近年は「推し活」が世代を超えて広がり、キャラクターのシールやぬいぐるみ、アクリルスタンド、カプセルトイなどを集める楽しみも定着しました。
株式会社CDGと株式会社Oshicocoが2026年1月に実施した「第3回 推し活実態アンケート調査」では、推し活をする人は国内で約2,000万人、市場規模は年間約4.1兆円にのぼると推計されています。
参考:【推し活総研2万人調査】推し活人口2000万人へ、最新レポートを公開|推し活総研
さらに2026年9月には、JR東日本が「Suicaのペンギン」の後継となる新しいイメージキャラクター3案を公開し、一般投票を開始。SNSでは候補への意見だけでなく、長年親しまれてきたSuicaのペンギンとの別れを惜しむ声も相次ぎました。
この盛り上がりは、キャラクターが単なる飾りではなく、人の記憶や日常、感情と深く結びつく存在であることを物語っています。
では、私たちはなぜ、実在しないキャラクターにこれほど心を動かされるのでしょうか。
2.キャラクターデザインは「目印」から「愛される存在」へ
企業がキャラクターを活用する歴史は古く、19世紀末には広告用マスコットの先駆けとされる「ミシュランマン」が登場しました。
日本でも、戦後の広告や商品パッケージ、テレビCMの普及とともに、企業や商品の“顔”となるキャラクターが数多く生まれています。
かつて企業キャラクターに求められた主な役割は、店頭で目を引き、商品名や企業名を覚えてもらうことでした。しかし現在は、SNS投稿、動画、LINEスタンプ、グッズ、イベント、コラボレーションなど、活躍の場が大きく広がっています。
つまり企業キャラクターは、情報を伝えるための「目印」から、顧客と継続的な関係を築く「コミュニケーションの担い手」へと進化しているのです。
▼以下の記事では、実際にキャラクターを導入した企業様へのインタビューを掲載しています。
3.なぜ人はキャラクターに夢中になるのか?5つの心理
3-1. 「かわいい」に反応する――ベビースキーマ
大きな目、丸い輪郭、小さな鼻や口、頭に対して小さな体。こうした幼い生き物を思わせる特徴は「ベビースキーマ」と呼ばれます。
研究では、ベビースキーマが強い顔ほど、かわいらしさや世話をしたい気持ちを喚起しやすいことが示されています。
もちろん、すべての人気キャラクターが幼い見た目をしているわけではありません。しかし丸みのある形や柔らかな表情は、相手への警戒心を下げ、「守りたい」「そばに置きたい」という感情の入口になりやすいと考えられます。
3-2. 人ではないものにも心を感じる――擬人化
人は、動物や物、記号的な図形に対しても、顔や感情、意図を読み取る傾向があります。これは心理学で「擬人化」と呼ばれます。
無機質になりやすいサービスや専門的な商品でも、キャラクターが「案内する」「驚く」「困る」「応援する」といった振る舞いを見せると、情報がぐっと身近になります。
キャラクターは、難しい説明と受け手の間に立つ“感情の翻訳者”になれるのです。
3-3. 何度も会うほど親しみが増す――単純接触効果
人は、繰り返し接する対象に好意を抱きやすくなることがあります。これは「単純接触効果」と呼ばれる心理現象です。
Suicaのペンギンが多くの人に愛着を持たれた背景にも、カード、駅、広告、グッズなどを通して、20年以上にわたり日常の中で何度も目にしてきたことがあるでしょう。
キャラクターは一度発表して終わりではなく、さまざまな接点で一貫して登場し続けることで、少しずつ「知っている存在」から「親しい存在」へ変わっていきます。
3-4. 性格や物語が「関係」を生む
見た目だけでなく、性格、口調、好きなもの、苦手なこと、仲間との関係などが見えると、キャラクターは一枚のイラストから“ひとりの存在”へと立ち上がります。
私たちは物語の登場人物やメディア上の人物に、一方向であっても親しさを感じることがあります。こうした「パラソーシャルな関係」は、キャラクターへの共感や応援したい気持ちにもつながります。
完璧さだけでなく、少し不器用、食いしん坊、緊張しやすいといった弱点が、かえって愛着のきっかけになることもあります。
3-5. 「好き」が自己表現と仲間づくりになる
好きなキャラクターのシールをスマートフォンに挟む、バッグにぬいぐるみをつける、SNSに写真を投稿する。こうした行動は、単なる所有ではなく「自分はこれが好き」という自己表現でもあります。
さらに同じキャラクターを好きな人同士で会話が生まれれば、キャラクターはコミュニティの共通言語になります。
「推す」「集める」「共有する」という行動を通じて、キャラクターへの愛着は個人の中だけでなく、他者とのつながりの中でも強くなっていくのです。
4.シール・ガチャ・推し活に見る「集めたくなる」仕組み
シールやカプセルトイが人気を集める背景には、キャラクターの魅力に加え、「何が出るかわからない期待感」「シリーズをそろえたい収集欲」「限られた期間や場所でしか手に入らない特別感」があります。
同じキャラクターでも、表情や衣装、季節、ポーズが変われば、新しい魅力が生まれます。小さく比較的手に取りやすいアイテムは、日常の中でキャラクターを持ち歩いたり、写真を撮って共有したりしやすい点も強みです。
ただし企業がこの仕組みを活用する際は、希少性やランダム性だけに頼りすぎない配慮も必要です。
長く愛されるためには、消費をあおることよりも、集める過程そのものが楽しく、ファン同士で共有したくなる体験を設計することが重要です。
5.キャラクターを企業PRに活かす5つのポイント
5-1. 「何のためのキャラクターか」を明確にする
認知拡大、難しいサービスの案内、SNSでの交流、採用広報、地域活性化など、目的によって必要なキャラクター像は変わります。まずはターゲットと役割を定めることが出発点です。
5-2. 企業らしさを、色・形・モチーフに落とし込む
見た目のかわいさだけでなく、企業理念、事業内容、土地の特色、商品特性などをデザインに織り込むことで、その企業にしかつくれないキャラクターになります。
5-3. 性格と物語に「余白」をつくる
プロフィールを細部まで固めすぎると、発信の幅が狭くなることがあります。核となる性格や背景を決めつつ、季節企画やコラボレーションで成長できる余白を残しておくことが大切です。
5-4. 継続的に会える接点を設計する
Webサイトに載せるだけでなく、SNS、パンフレット、動画、ノベルティ、イベントなどへ展開し、繰り返し会える場をつくります。接点ごとに人格やデザインがぶれないよう、キャラクター仕様書や運用ルールを整えることも欠かせません。
5-5. 企業が一方的に語るのではなく、参加の余地をつくる
名前募集、人気投票、季節衣装への投票、ファンアート企画など、ユーザーが関われる仕掛けは「自分も育てた」という感覚につながります。
一方で、長年親しまれたキャラクターを変更する場合は、既存ファンの愛着にも丁寧に向き合う必要があります。JR東日本の事例は、参加型企画の強い拡散力と、キャラクター交代の難しさの両方を示しています。
▼以下の記事では、キャラクターの活用事例やデザイン依頼時のポイントについて解説しています。
6.まとめ|キャラクターは、企業と人をつなぐ“人格”になる
人がキャラクターに夢中になる背景には、かわいさへの本能的な反応だけでなく、擬人化、繰り返しの接触、物語への共感、自己表現、コミュニティへの参加といった複数の心理があります。
だからこそ企業キャラクターには、ロゴや広告素材とは異なる力があり、商品やサービスの特徴をわかりやすく伝え、企業への心理的な距離を縮め、時間をかけてブランドへの愛着を育てていくことができるのです。
漫画化伝説では、企業やサービスの目的、ターゲット、使用場面を丁寧にヒアリングし、オリジナルキャラクターをご提案します。
基本ポーズだけでなく、用途に合わせたポーズ展開や世界観設定、キャラクター仕様書の制作にも対応。企業の想いを、長く愛される“顔”へと育てます。
「自社らしさを伝えるキャラクターがほしい」「SNSや広報で継続的に活用したい」「アイデアはあるけれど、どう形にすればよいかわからない」という方は、ぜひ漫画化伝説にご相談ください。





