ビジネス漫画の作り方とは?知っておきたい5つのステップ
親しみやすさやわかりやすさ、訴求力の高さなど、さまざまなメリットのある漫画コンテンツ。ビジネスにおいても活用される機会が増え、オリジナル漫画の制作を検討している方もいらっしゃるかと思います。
しかし、いざ一からオリジナル漫画を制作しようとしたときに、
「まず何から手を付ければいいの?」
「そもそも漫画制作のフローがわからない…」
と頭を悩ませてしまう方も少なくないのではないでしょうか?
そこで本記事では、ビジネス漫画における制作フローについてご紹介いたします。
ビジネス漫画の制作フロー
ステップ1.企画
まずは、漫画制作の企画立案を行います。企画を組み立てる際には、以下の項目を決めておき、制作会社に共有できようにしておくとスムーズです。
・制作の目的、ターゲット
まず「何のために漫画を作るのか」「誰がその漫画を読むのか」という目的とターゲットを明確にしましょう。販売促進、採用、社員教育など、漫画コンテンツの活用方法はさまざまですが、制作の目的とターゲットによって最適な表現方法が異なり、タッチやストーリー展開も大きく変わってきます。目的とターゲットを明確にすることで、漫画全体の方向性も自ずと見えてくるでしょう。
また、ターゲットはできるだけ具体的に設定することが重要です。年齢・性別・職業のほかに、生活スタイルや性格、家族構成など、人物像を詳細に掘り下げていくことで、より訴求力の高い漫画を制作することができます。
・掲載媒体
制作した漫画をどのような媒体に掲載するか、形式や体裁を決めます。
具体的には、冊子化して配布する、Webサイトに掲載する、SNSに投稿する、などがありますが、こちらも目的やターゲットによって適した媒体が異なります。「目的を達成するためには、どのような形で読者に届けるのが最適か」を考えることが重要です。
・納期
いつまでに完成させるか、という納期を決めていきます。
「漫画コンテンツのメリットとデメリットとは?」の記事でもお伝えしましたが、漫画制作には多くの工程があり、完成までに想像以上に時間を要することもあります。
例えば、「新人研修資料として使用するため4月までに完成させたい」「商品の発売にあわせて10月までに完成させたい」など、完成目標が決まっている場合は特に、余裕をもって動くようにしましょう。
納期に関しては、漫画家のスケジュールによって変動することもあるため、依頼の段階で制作会社とすり合わせをしておくことが重要です。
▼漫画制作のスケジュール例については以下のページでもご紹介しています。
https://mangaka.co.jp/flow-manga
・予算
予算によって、依頼できる漫画家が変わる場合もあります。
あらかじめ予算を把握し、制作会社に共有しておくとよいでしょう。
ステップ2.プロット作成
企画が固まったら、漫画のプロットを作成していきます。プロットとは、登場人物やストーリーを文字ベースで設計した資料のことです。
プロット作成の工程では、企画段階で決めた「目的」や「ターゲット」に合わせて以下の項目を決めていきます。「漫画を読んだ人に何を感じてほしいのか」「どのような行動をとってほしいのか」というゴールからブレないようにすることが重要です。
・登場人物のキャラクター設定(名前、年齢、性別、職業など)
・具体的なセリフ、描写
・ストーリー構成(場面転換、結末など)
プロットを作成する際には、あれもこれもと情報を詰め込みすぎないよう注意が必要です。情報量が多すぎるとセリフが長くなり、漫画の中が文字だらけになってしまいます。
ステップ3.ネーム作成
プロットが完成したら、次にネームの作成に入ります。ネームとは、漫画を描く前にコマ割り、アングル、セリフなどを大まかに配置したラフ画のことを指します。
ネームでは、文字ベースで構成されたプロットが、漫画にしたときにどのような展開になるのか、ストーリーイメージ、コマ割り、セリフ、構図など、漫画の土台となる部分を決めます。ここで確定した構図やコマ割りは、基本的にこれ以降の工程では変更することができないため、注意が必要です。
ステップ4.下書き
ネームで漫画の構成が決まったら、続いては下書きに進みます。下書きでは、ネームを元に本番と同じタッチで登場人物や背景を描き込んでいきます。
ネームでは描かれていなかった登場人物の髪型や服装、背景描写などの細部を具現化していき、完成形がイメージできるようになります。
ステップ4.清書(ペン入れ・彩色・セリフ入れ)
下書きが終わったら、清書作業に入ります。清書作業では、ペン入れ、彩色、セリフ入れの順に進めていきます。
ペン入れとは、下書きの描線を本番の線でなぞって引き直すことです。最近はデジタルソフトで制作することが多いですが、もともとは鉛筆でネームや下書きを行い、その後ペンで本番の線を描いていたため、「ペン入れ」と呼ばれるようになりました。
カラーの漫画を制作する場合は、ペン入れ後に彩色を行います。
彩色された漫画に、最後にセリフを入れて完成です。
まとめ
今回は、ビジネス漫画における制作フローをご紹介しました。
漫画を制作する中で最も重要なのは、企画の段階で目的とターゲットを明確にすることです。目的とターゲットが曖昧なまま進めてしまうと、何を伝えたいのかわからない構成になったり、タッチと内容がちぐはぐで違和感のある仕上がりになってしまうおそれがあります。漫画制作では、後から構図やコマ割りを変えることが難しいため、企画の段階で軸を固めておきましょう。
今回ご紹介したのは一般的な制作フローですが、漫画の内容やボリュームによっては多少フローが異なることもあります。まずは一度制作会社に相談してみるのがいいかもしれません。